皮膚科

皮膚科

動物の皮膚科

飼い主と同じ住環境での生活、長寿命化などにより皮膚病に悩むペットが増え、その数は実に3割に達するともいわれています。
アトピー、食物アレルギー、ノミダニなど原因はさまざまなので、最初の診断で皮膚病の種類や原因を突き止めてから治療方針を決めていきます。とりわけ冬場の乾燥、梅雨の時期にはかゆみ・痛み・においといった問題が起きやすく、季節の変わり目ではストレスや脱毛症が表れることも多いため注意が必要です。

動物の皮膚科とは

動物の皮膚病は、たとえひとつの症状であっても原因が複数絡み合っている場合が多いものです。
そのため、原因の特定には専門的な知識と経験値が不可欠とされる分野といえます。アレルギーやアトピー疾患は治りにくく、長く付き合っていかないといけないケースも多々みられますが、初期の段階で症状をコントロールできればそれだけペットも早く楽になります。
少しでも不安な様子があれば、すぐに受診して診断・治療を受けましょう。

こんな症状ありませんか?

動物がかかる皮膚病の主な症状には、以下のようなものが挙げられます。
よくみられる行動として、体をかゆがる・手足をペロペロとずっとなめている・顔や耳、口、のど、首、ワキといった部位をしきりにかくなど。目に見えるものでは目や耳のまわりが赤い・発疹のような赤みが出ている・毛がよく抜ける・触ると皮膚がベタついているといった症状もあり、病気が進むにつれにおいがひどくなるペットもいます。
いずれも飼い主がいち早く気づくことが大事なので、スキンシップやブラッシングを通し毎日様子を観察してあげるようにしましょう。
  • アレルギー性皮膚炎
    • アトピー性皮膚炎
      皮膚や粘膜から体内に入り込んだアレルギーの原因・アレルゲンと呼ばれる物質への免疫機能の過剰反応による症状とされています。
    • 食物アレルギー
      特定の食べ物が引き金となって発症します。遺伝的な体質もかかわってはいますが、人間と同じように原因の食物さえ特定できれば食事管理で改善できるケースが大半をしめているものです。
    • ノミアレルギー
      動物に発症が多く、ノミの唾液に対するアレルギー反応で引き起こされます。特に屋外で生活するペットはかかりやすいほか、室内飼いでも耳ダニなどの危険性はあり注意が必要です。
    犬猫において、アレルギー性皮膚炎は最も多く遭遇する疾患の1つです。
    好発の品種、年齢、部位を良く観察することで、何の疾患かを大まかに鑑別し、その原因についてはアレルギー検査を行う事で明らかにする事が出来ます。アレルギーは体質的な疾患で、原因の特定や除去、皮膚に対する効果的な薬の処方以外に、飼い主様の粘り強い継続的なケアがとても重要です。
    当院では、各種アレルギーに対し検査センターや専門医と連携を取って治療する事を心がけております。アレルギー疾患にお悩みの際は、どうぞご相談ください。
  • 角化症
    「角化症」とは皮膚の表面にある角質が正常に作られなくなる病気のことで、実は皮膚病のなかでも一番多いといわれています。
    角質が剥離するサイクルは正常なら20日間くらいですが、発症するとそのスピードに細胞がついていけなくなるため、はがれやすくなってしまうのです。
    症状としては乾燥する・洗ってもすぐに脂っぽくなる・フケが多い・固く厚ぼったくなるなど。
    生まれつきの病気で起こる場合のほか、ほかの皮膚病と併発して発症するケースがほとんどです。治療は皮膚を清潔に保つことが重要なので、症状に応じて薬用のシャンプーも使いながら進めていきます。
    また、ただれるなどひどい状態なら投薬も並行して検討する必要があるかもしれません。
  • 感染症
    動物の「感染症」とは、ウイルスや細菌、真菌、寄生虫をはじめとした病原体が体内に侵入することによって引き起こされる病の総称。ペットがかかる感染症の主だったものをいくつかご紹介します。
    • 膿皮症
      ブドウ球菌の感染が原因で起こります。症状はさまざまで、合併性や再発率がとても高く、一度発症すると根気強い治療をしなくてはなりません。
    • マラセチア性皮膚炎
      「マラセチア」という真菌によって表れます。これはベタベタした状態の皮膚を好むため、ほかの皮膚病で皮脂の分泌が増えた場合に併発するケースがみられます。
    • 疥癬症・毛包虫症
      特に動物に多い「ダニ」を原因とする病気として「疥癬症」や「毛包虫症」が考えられます。これらはかゆみが強いことが特徴で、皮膚のバリア機能が低下しているときに症状となって表れてくるもの。
    • 皮膚糸状菌症
      「皮膚糸状菌」というカビの一種が感染するために発症する「皮膚糸状菌症」は人にもうつる可能性があり、速やかな治療が必要な病気です。
    犬においては、膿皮症、マラセチア性皮膚炎は比較的多くみられる疾患です。
    同時にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーとも併発し、皮膚病の診断や治療を複雑にします。疥癬症、毛胞虫症、皮膚糸状菌症は、主に幼若犬や老齢犬に見られますが、どの疾患も皮膚が赤い、かゆい、脱毛するなどの共通した症状を呈します。
    一方で猫においては、アレルギー性皮膚炎、皮膚糸状菌症やストレスによる掻把や舐める行動により、様々な皮膚症状を呈します。
    当院では、それらの疾患の鑑別を、視診やその動物の病歴、年齢、品種、様々な検査を用いることで進めております。
    また、栄養、シャンプー治療の観点からもアドバイスさせて頂いております。お気軽にご相談下さい。